ガイドについて
本ガイドでは、アクセスコントロールの導入・設置に関するベストプラクティスをご紹介します。設置後のトラブルシューティングに関連したコストと煩雑さを軽減することを目的としています。この記事は、導入を4段階に分けて説明します。
Commandの準備を行う
Verkadaデバイスを管理し、トラブルシューティングを行うためには、Command組織が必要となります。Verkadaサポートは、Verkadaデバイスのトラブルシューティングを行うために管理者にサポートトークンを生成する必要があります。各導入前に次の手順に従ってください。
エンドユーザーがVerkada Command組織を持っていることを確認します。
設置者は、関連するすべてのサイトでオーガナイゼーション管理者、アクセス管理者、アクセスサイト管理者である必要があります。それにより、設置者はすべてのデバイスが機能していることの確認や、トラブルシューティングのサポートトークンの生成ができます。
設置を開始する前に、Verkadaデバイスを組織に追加します。
注: サポートに問い合わせる前に、デバイスのシリアル番号を手元に用意し、Verkada Commandでそのシリアル番号が表示されていることを確認してください。
ハードウェアを擬似環境でテストする
デバイスを擬似環境でテストして、設置が成功したことを確認します。これにより、現場で故障したデバイスに対応するためのコストや問題、時間の遅れを回避できます。動作確認済みのデバイスを使用することで、最終的な設置時のトラブルシューティングを効率化でき、設置時のトラブルシューティングでは、すべて物理環境とネットワーク環境を中心に行うことができます。
擬似環境のテスト場所を計画する
作業のために準備するもの:
ロック
バッジ用リーダー(WiegandまたはVerkada)
バッジ(リーダーとの互換性のある形式)
市販のイーサネットケーブル
AC41カセット
数本の短いワイヤー
マネージドスイッチ(パケットキャプチャの収集が可能)
マルチメータ
ノートパソコン
テスト環境をセットアップする
AC41カセット
ロックに配線します。
リーダーに配線します。
2個のDPIポートに1本のワイヤーを差し込み、接続します。
2個のREXポートに1本のワイヤーを差し込み、接続します。
マネージドスイッチをサイトのネットワークに接続します。
テスト環境の手順
Verkadaをご使用の場合は、AC41カセットに配線し、カセットをAC41に取り付けます。
AC41を差し込み、イーサネットケーブルでネットワークスイッチに接続します。
30分ほど放置して、十分な時間をかけて更新します。更新中は、左上隅にあるAC41のステータスLEDがオレンジ色に点滅します。終了すると、LEDが青色に点灯します。
ステータスLEDが青色に点灯しない場合:
このドキュメントの導入済みハードウェアのトラブルシューティングセクションを参照してください。
必要に応じて、Verkadaサポートに連絡してください。
各ドアポートをテストする
テストドアボタンを使用して、ドア1を選択します。 Trigger Lock(ロックをトリガー)が点灯し、Emulate DPI(DPIをエミュレート)がオフに、 Emulate REX(REXをエミュレート)もオフになる必要があります。
AC41の電源を切ります。 電源を入れたまま作業をしないでください。
AC41の電源がオフのときに、配線済みカセットをドア1に取り付けます。
ロックに電力を供給するには、電源を12Vまたは24Vに設定します。
電源を接続してAC41の電源を入れます。
ステータスライトを確認します。
DPIをエミュレートとREXをエミュレートの両方がカセットを備えたドアポートで点灯します。
バッジ用リーダーに電源が入り、点灯します。
[ロックをトリガー] を押すとロックが解除され、ロックリレーが動作することを確認します。
バッジ用リーダーの準備ができたら、カードをスキャンします。カードは、ユーザーに追加されていないため、拒否されます。
4個のドアポートすべてに対して上記のテストを繰り返します。
上記のテストで期待どおりの結果が得られない場合は、Verkadaテクニカルサポートに連絡してください。
一部の設置ではケーブル出口にプラスチック製ブッシュを挿入する必要があります。寸法は次のとおりです。
アクセスコントロールのケーブル出口: 38 mm(1 1/2インチ)
電源ケーブル出口: 32 mm(1 1/4インチ)
設置を完成させる
導入に際して最も重要なのは、機能するソリューションをお客様に提供し、導入後もお客様がそれを維持し、サポートを受けられることです。これは、購入したすべてのデバイスにアクセスでき、デバイスが完全に機能していることが示されることを意味します。サイトを離れる前に、設置が成功したことを確認するために以下のチェックを完了してください。
物理的チェック:
すべてのアクセスコントローラのステータスライトが青色で点灯していることを確認します。
アクセスコントローラのすべての接続(ロック、リーダー、REX、DPI)に、シールドケーブルが使用されていることを確認します。
シールドケーブルが接地して電流が流れていることを確認します。
バッジがスキャンされた時に各ロックが解除されることを確認します。
ドアの開閉時に各ドアのDPI状態が正しいことを確認します。
REXがドアのロックを解除するように適切に設定されているかどうかを確認します。
エンドユーザーが使用する各タイプのバッジの種類がリーダーで機能することを確認します。
ドアにアクセスコントローラのラベルが付いていることを確認します。
ソフトウェアチェック:
設置者の他に少なくとも、もう1人のアクセス管理者がいることを確認してください。
もう1人のアクセス管理者がログインして、すべてのデバイスを表示できることを確認してください。
アクセス管理者がサポートトークン生成ページを確認でき、必要に応じてテクニカルサポートを活用できるようにします。
アクセス管理者は、アクセスコントローラを備えたすべてのサイトにサイトアクセス管理者として追加される必要があります。
アクセスレベルを設定し、コントローラにドアを追加します。
ユーザーを設定し、ユーザーがバッジで入室できることを確認します。
お客様に、設置者であるあなたをCommand組織から削除してもらいます。これが設置完了時の標準的手続きです。
導入済みハードウェアのトラブルシューティング
デバイスを設置時には予想外の問題が発生する可能性があります。常にマルチメータを手元に置き、部品や接続の点検をします。多くのよくある問題は、LEDステータスで根本的な原因が明らかになります。以下に示すのは、LEDのステータスとそれに関連する原因、および修復手順です。LEDはAC41の左隅上で確認できます。
LEDステータス | 問題 | サポートに連絡する前のトラブルシューティング | サポートに連絡する前のトラブルシューティング(続き) |
青色に点滅 | ネットワークに関する問題 | 正常な短いパッチケーブルで、コントローラを正常なスイッチポートに接続します。 | AC41が青色に点滅し続ける場合は、このドキュメントの下部にある手順を実行してください。 |
オレンジ色に点灯 | LEDが5分間以上オレンジ色に点灯している場合は、十分な電力供給がされていないか、起動プロセスが失敗している | AC41を別の電源コンセントに接続します。AC41の電源ケーブルを別のAC41の電源ケーブルと交換します。 | AC41を接続したまま、ネットワークに接続してください。Verkadaサポートにお問い合わせください。 |
LEDが青色に点灯し、Commandでデバイスがオフラインと表示される | アクセスコントローラがCommandに追加されていない | AC41の電源の下にあるシリアル番号がCommandのシリアル番号と一致するか確認します。一致しない場合は、正しいシリアル番号を追加して、コントローラの処理が終わるまで待ちます。 | シリアル番号が一致する場合は、AC41のシリアル番号の写真を撮り、サポートにお問い合わせください。 |
LEDがオレンジ色に点滅 | AC41のLEDが30分以上オレンジ色に点滅したままの場合は、ファームウェアの更新を完了できていない | 短いパッチケーブルを使用してAC41をネットワークスイッチに直接接続し、30分ほど待ち、問題が解消されるかどうかを確認します。 | スイッチに直接接続しても更新されない場合は、サポートにお問い合わせください。 |
LEDが点灯しない | LEDが点灯しない場合は、電源が入っていない状態 | AC41の電源コードを別のコンセントに接続します。電源ケーブルを別のAC41のケーブルと交換します。 | 別のコンセントに接続してもLEDが点灯しない場合は、サポートにお問い合わせください。 |
アクセスコントローラがVerkadaのバックエンドに到達しない場合は、LEDが青色に点滅します。ネットワークに問題があるポイントは多数存在します。配線、VerkadaクラウドへのDHCP、DNS、NTP、HTTPSのアクセスのすべてを検証する必要があります。テスト環境時にアクセスコントローラに問題がなかった場合は、お客様と一緒にネットワークを修正する必要があります。
ネットワーク診断テスト
DHCPサーバー管理者と協力して、AC41のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトのゲートウェイ、DNSサーバーを取得します。アクセスコントローラは、AC41の電源の下にあるステッカーに記載されているMACアドレスによって、DHCPサーバ上で識別されます。
アクセスコントローラをネットワークから切断します。これにより、ノートパソコンを同じIPアドレスに設定する場合に、IPアドレスの競合を回避できます。
ノートパソコンに同じIPアドレス設定を割り当てます。
ノートパソコンを、コントローラに使用していたのと同じケーブルに接続します。
ブラウザで次のURLにアクセスできることを確認します。
VerkadaのNTPサーバーのNTP到達可能性を確認します。
Macユーザーの場合は、ターミナルウィンドウを開き、次のように入力します。
sudo sntp -sS time.control.verkada.com
sudo sntp -sS 34.216.15.26
Windowsユーザーの場合は、コマンドプロンプトを開き、次のように入力します。
w32tm /stripchart /computer:time.control.verkada.com /samples:3 /dataonly
w32tm /stripchart /computer:34.216.15.26 /samples:3 /dataonly
上記のリクエストのいずれかが失敗した場合は、ネットワーク管理者と協力して以下を許可してください。
TCPポート443から以下への許可
access.control.verkada.com
api.control.verkada.com
relay.control.verkada.com
index.control.verkada.com
firmware.control.verkada.com
update.control.verkada.com
time.control.verkada.com
および34.216.15.26
の双方向UDPポート 123
ネットワーク要件に関する詳細なドキュメントは、こちらから参照できます。
上記のテストがすべて成功しても、アクセスコントローラのLEDが青色に点滅し続ける場合は、Verkadaサポートにお問い合わせください。サポートへの問い合わせでは、サポートトークンとアクセスコントローラのスイッチポートからのパケットキャプチャが必要になります。