ビルディングオートメーションおよび制御ネットワーク(BACnet)の統合により、Verkadaセンサーは建物の暖房、換気、空調(HVAC)システムに空気質メトリックまたはセンサー測定値を通知し、建物のHVACがこれらの室内空気質の条件に対応できるようにします。
Verkadaセンサーは、ビル管理システム(BMS)プロトコルであるBACnetと統合できます。Verkadaのセンサーをこのプロトコルと統合することで、組織のHVACシステムは最適ではない空調の条件に、自動的に対応できるようになりました。Verkada空気質センサー用にBACnetを設定する方法をご覧ください。
BACnetについて
BACnetは、建物のオートメーションと制御システム用に特別設計された通信プロトコルです。これは、HVAC、照明、セキュリティ、その他のビルオートメーションシステムなど、建物内のさまざまなデバイスやシステム間のデータ交換を容易にするために使用される業界標準のプロトコルです。
このプロトコルは、基盤となるハードウェアやソフトウェアの実装に関係なくさまざまなメーカーの各種デバイスやシステムが相互に通信するために標準化されています。
BACnetの目的は、さまざまなビルオートメーションデバイス間で効率的かつ標準化された通信を実現し、ビル制御システムの設計と運用における相互運用性、拡張性、柔軟性を促進することです。
BACnetのメリット
ここでは、BACnetの直感的な操作性が組織にとって有益となる例をいくつか紹介します:
部屋や建物の温度を調整してコストを節約します。
ダンパーの出力を調整して、室内の新鮮な空気の循環を増加します。
電源ファンをオンにします。
空気質の悪さを検知すると自動的に窓を閉めます。
二酸化炭素レベルが高い場合、空気ろ過システムを自動的に作動し、屋外の空気の流れを増やします。
空気がきれいなときに不必要なろ過を避けるために、汚染のしきい値が満たされた場合にのみろ過システムに空気を通します。
高レベルの揮発性有機化合物がある場合、研究室の換気量を自動的に増加させます。
SV25の光センサーを使用して、室内が無人のときに光が検出された場合、室内の照明を消します。
電子タバコが検出されるとストロボまたはアラームが作動します。
BACnetの使用事例
ビルオートメーションシステム(BAS)とも呼ばれるBMSがBACnetをサポートしている場合、Verkadaセンサーを入力として使用して、HVAC機器またはBMS内のその他の機器を制御できます。
BACnetは一元的な制御と監視を可能にし、特に温度、湿度、PM 2.5、TVOC、二酸化炭素などVerkadaセンサーのさまざまな測定値を受信し、それを使って出力を制御して環境を改善できます。たとえば、会議室に設置されたセンサーが高濃度の二酸化炭素を検知してアラートを作動し、その情報をBAS/BMSに送ることで、換気扇やダンパーを作動させるなどの制御を行うことができます。
実装例
シナリオ: Verkada空気質センサーで会議室の二酸化炭素(CO2)を監視し、CO2が700ppmに達したときに新鮮な空気の流れを増やします。
Verkada空気質センサーをインストールし、BACnetネットワークに接続します。
デバイスでBACnetを有効にし、一意のデバイスIDを付与します。デバイスでBACnetを有効にする方法を参照してください。
BACnet over IP対応のBMSに移動し、「Discover(検出)」機能を使用してVerkadaセンサーを見つけます。この例では、Vykon WorkPlace N4を使用します。
そうすると、ネットワーク上で検出されたBACnetデバイスの情報が返されます。デバイスの名前を変更し、BMSに追加します。
「BACnet Who-Has Discover」を実行して、利用可能なすべての入力を見つけます。
ポイントをBMSに追加し、それらを使ってHVACの決定を行います。
この場合、In2はSV25CO2の測定値にリンクされ、GreaterThanEqual関数であるIn Aに送られます。
SV25 CO2測定値が700 ppmを超えている場合は、Trueを送信し、超えていない場合は、Falseを送信します。
その関数のOut(出力)をBooleanWritable変数(この場合はIn16)の入力にリンクします。In16は、Outブール値を決定します。
Outブール値をダンパーコントロールにリンクします。
OutがTrueの場合はダンパーが開き、
Falseの場合は閉じます。
よくある質問
すべてのBMS/BASがBACnetを使用していますか?
いいえ、すべてのビル管理システム(BMS)/ビルオートメーションシステム(BAS)がBACnetをサポートしているわけではありません。主要なHVAC事業者のほとんどが、この機能に対応した製品やコントローラを用意しています。ただし、ご使用のシステムが対応しているかどうかは、HVACの専門家にご相談ください。
必須。この統合には、BACnet IPに適合するビルオートメーションシステムが建物に導入されている必要があります。HVACの専門家に問い合わせて、お使いのシステムがサポートされているかどうかを確認することをお勧めします。BASがBACnetをサポートしているかどうか不明な場合は、[Verkadaサポート]にお問い合わせください。
BACnetではどのセンサーの測定値がサポートされていますか?
VerkadaセンサーはHVACシステムを直接コントロールするのですか?
いいえ、Verkadaセンサーが直接ビルのHVACシステムを制御するわけではありません。代わりに、センサーは測定値をBMSに伝え、BMSは建物のHVACを制御する機能の入力データとしてその値を使用し、部屋の温度を調節したり密閉空間で風量を増やしたりするなどといった制御を行います。
Verkada空気質モニターはBACnet MS/TPに対応していますか?
いいえ、BACnetマスター・スレーブ(MS)/トークン・パッシング(TP)(アクセスコントロールリーダーと同様にRS485接続を必要とするBACnetの有線バージョン)は現在、Verkada空気質センサーでは対応していません。この件に関する追加情報やサポートが必要な場合は、貴社のSEにお問い合わせください。
BACnetが有効になっていると、何が行われますか?
デバイスでBACnetを有効にすると、BMSコントローラはBACnetネットワーク上のデバイスを「検出」できるようになります。そのためには、BACnetデバイスに、ネットワーク上のデバイスの識別に使われるデバイスIDと、通信にも使われるポートが必要です。
サーバーは「Who-Is/I-Am」フローを通じてデバイスとのハンドシェイクを開始します。次に「Who-Has/I-Have」フローでデバイスの特性を把握します。
サポートが必要な場合はVerkadaサポートにお問い合わせください。